賃貸で暮らす人にとって、DIYは自由度の高い暮らしが出来る事の一つですよね。
そんな何でもできそうなDIYですが、賃貸の場合は原状回復が付いてきます。
簡単に言うと借りた時の状態に戻せる範囲でDIYをやらなくてはいけないという事ですね。
借りた時の状態に戻すと聞くと、備え付けの設備は触らない方が良いなぁと思うモノではありますが、備え付けの設備でも取り外せる物はあるんです。
今回は、賃貸でDIYの幅を広げる為に、備え付けの設備の中で外せるものを5つ紹介します。
原状回復とはどんな事?
まずは、原状回復と言うのはどんな事なのか簡単におさらいしましょう。
原状回復とは明確な法律があるわけではありませんが、国土交通省によるガイドラインと言うものがあります。
簡単に言ってしまうと「元に戻せる範囲の事」なんですが、元に戻すと言っても、普通に暮らしていて古くなった壁紙や畳を新品に戻すなんて事ではありません。
例えば、手入れをしなくて落ちない汚れシミカビが付いたり、壁に釘の様な大きな穴を開けると元に戻せないので借りる側の負担となります。
ですが、普通に暮らしていて壁紙が変色するのは経年劣化となりますし、画鋲でポスターを留める程度の穴も負担しなくて良い目安になっています。
最終判断は大家さん次第ですので、そこだけは忘れないでくださいね。
国土交通省の方は文字が多いので分かりづらいかもしれません。東京都都市整備局のガイドラインはイラスト付きで分かりやすいの一度見てみてくださいね。
原状回復から見た外せる目安
賃貸に備え付けられている建材や設備の中で外せる目安になるのは、
- 道具を使わなくても外せる物
- 元に戻せるネジで固定されている物
この2点が目安となります。
特殊な工具を使わないと外せない物や、組み込んであるものは元に戻すのが難しくなります。
ですので、簡単に外せるものだけに絞っていれば難しく考えなくても大丈夫です。
賃貸でも外せるもの5選
はめ込みタイプの引き戸
はめ込みタイプの引き戸は、扉の中でも最も手軽に外せますね。
外し方は、一般的な引き戸なら、扉を上に持ち上げて下を手前に引けば外すことが出来ます。
押入れの引き戸を外せば、湿気も逃がしながら物が取り出しやすい押入れになります。
また、頻繁に開け閉めする場所なら引き戸を外すして、目隠しとして突っ張り棒にカフェカーテンを暖簾を付けても良いですね。
折れ戸
クローゼットで使われる折れ扉は、引き戸より外すのが難しいですが、レールと軸にはまっていると言う以外にもシンプルだったりします。
はめ込むタイプの引き戸と違って、折れ戸の種類で外し方が変わってきますので、メーカー名が分かればメーカーサイトで外し方を調べたり相談した方が確実です。
外せると分かった場合は、取り付けも出来るかチェックしてから外してくださいね。
ちょっと難易度が高いですが、もし外したいと思っている方はYouTubeの動画URLを乗せて置きますので参考にしてみてください。
参考 折れ戸5 扉の外し方 | Panasonic – YouTube
収納の扉
キッチン収納でよく見られる丁番(ちょうばん)と言う金具が付いた収納扉です。
丁番の種類によってはネジを外さなくても、ワンタッチで取り外すことが出来ます。
もしワンタッチで外すことが出来なくても、本体側のネジを緩めれば扉ごと外すことができるので比較的外しやすいんです。
キッチン以外でも賃貸の色々な収納場所で外せる可能性もあります。
ネジを緩める前に、まずは、ワンタッチで外せるタイプかどうかチェックしましょう。
コンセントカバー・スイッチカバー
コンセントやスイッチに付いているプレートは、外して好みのデザインに交換したりできます。
外し方は、ネジが見えるプレートなら、ネジで留めてあるだけなので、プラスドライバーがあれば簡単に外すことが出来ます。
ネジが見えない場合は、パチンっとはめるカバーがあるタイプで、側面を手やマイナスドライバーなどで持ち上げるようにすると外すことが出来て、その下の枠がネジで固定されています。
細かい場所ではありますが、暖かみのある木目にしたり、無機質な金属の様にしたりと、お部屋のテイストに合わせて変える事が出来ちゃいます。
キッチンの水切り棚
水切り棚は、吊り下げ収納の下に付いている部分ですね。
新築のアパートなどでは少なくなっていますが、キッチンに備え付けで付けられている水切り棚も、固定のされかたによっては外すことが出来ます。
吊り下げ収納に水切り棚がネジで固定されているだけなら、ネジを緩めれば丸ごと外せます。
壁のタイルにもネジが付いて固定されている場合は、1本だけそっと緩めてみてタイルなどが崩れる場合はネジ穴が使えなくなる可能性があるので止めたほうが良いでしょう。
とは言っても、水切り棚が外せると見た目も使いやすさもガラッと変わるんですよね。
見た目もスッキリしますし、ディアウォールなどを使ってDIYすれば棚も作れたり、水切り棚にはねた油が垂れてくる心配も無くなるんですよね。
ただし、木以外の場所にネジで固定されている場合は、外すのは慎重にならなくてはいけません。
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外す時のポイント
外した建材の保管場所を確保する
退去する時には元に戻すので、賃貸で外した部品、建材は大切に保管しなくてはいけません。
使っていない部屋や収納に置ければよいのですが、部屋の片隅に立てかけておくようだと邪魔になってしまうので悩みどころですね。
木材の建材であれば、汚れないような場所やカビが生えない様な通気性の良い場所がベストですね。
元の形に戻せるようにする
どの部品が付いていたか、何のネジが付いていたかなど、メモや写真を撮って元通りに戻せるようにしましょう。
部品の種類、部品の色、ネジの太さ、ネジの長さ、ネジの色などですね。
今回紹介した外せる物は、シンプルな物ばかりではありますが、ネジの長さに違いがあった場合は、どのネジを使っていたのか忘れないようにしましょう。
外しや部品は同じ場所に取り付ける
共通の部品だとしても、外した部品やネジは外した場所に付けられるようにしましょう。
と言うのも、共通で見た目には同じ部品だとしても、なぜかクセがあったり相性が合ったりするんです。
ゆがみ、曲がり、摩耗具合などが噛み合うように、共通の部品やネジだとしても外した場所に取り付けられるようにしてくださいね。
部品を無くさないようにする
外した細かい部品やネジは無くさないように保管しなくてはいけません。
保管する時は、同じ場所に取り付けられるように、1セットずつ袋に入れたり、1セットずつ小箱に入れたりと、セットで保管すると良いでしょう。
あとで「これ何の部品だろう?」とならないように、分かりやすくメモを残しておくと良いですね。
ネジの取り外しの注意点
ネジを取り外す時は、とりあえずゆっくり1本だけ緩めてみましょう。
この時、ネジがものすごい硬くゆるまない場合は諦めたほうが無難です。
すごく硬く締まっていたり、固定されているとネジの頭をなめてしまったり、ネジ山を潰して使えなくなってしまうなどリスクが高いんですよね。
全く同じネジを用意できるのならネジがダメになっても交換できますが、良く分からない場合はネジが使えなくなってしまう可能性もあります。
もう一つは、ネジが止まっている場所が木材以外の場合も、1本だけ緩めて様子を見ましょう。
素材によっては、ネジを抜くときに周りの素材がぽろぽろ取れてネジが回らなくなっちゃうこともあります。
今回の場合だと、キッチンの吊戸棚したの水切り棚ですね。水切り棚は、壁側のタイルにもネジで固定されている場合があるので注意が必要です。
硬すぎて緩まない場合と木以外の素材にネジで固定されている場合は、慎重に緩めてくださいね。
まとめ
賃貸では原状回復と言う問題が付いてきますが、道具を使わない場所、ネジだけで固定してある建材は、外せるもの、そして外しても元に戻せる物だったりします。
もし住まいの中で、これ邪魔なんだよなぁとか使わないんだよねと言った場所があれば、外せないかチェックして見ると良いでしょう。
備え付けの邪魔なモノは外して使いやすくできる事もあるので、まずはどう固定されているのかチェックして、DIYの幅を広げて暮らしやすくして下さいね。